心地いい認知症ケア技法「ユマニチュード」とは?

心地いい認知症ケア技法「ユマニチュード」とは?

ユマニチュードは35年の歴史を持つ知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションに基づいたケア技法。まずはユマニチュードの基本となる4つの柱をご紹介。

ユマニチュード(HUMANITUDE)とは?

体育学を専攻する2人のフランス人 (イブ・ジネストとロゼット・マレスコッティ)によって、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法。「魔法のケア」と呼ばれていこともあるが、あくまでも技法でありテクニックのひとつで”魔法”ではない。技法を理解し学んでいくとが重要だ。ユマニチュード自体は認知症ケアとして紹介される場面が多いが、介護業界に限らず医療業界などで技法を取り入れたり、日常で生活で身近な子供や会社の上司、部下、同僚といったあらゆる場面で活用することができる技術だそうだ。
ユマニチュードに関する研究や教育を行っているジネスト・マレスコッティ研究所は日本、ベルギー、スイス、ポルトガル、ドイツ、カナダなど世界各国に国際支部があり、日本支部は2014年に誕生、まだ数年といったところだ。では、基本となる4つの柱について紹介していく。

4つの柱

ユマニチュードのケア技法の基本は、「見る」「話す」「触れる」「立つ」となる。

「見る」

認知症患者を見つめることで”しっかりと向き合っています!大切に思っていますよ。”と理解してもらい相互理解に努めることが大切なこと。「見る」のポイントは、視界にしっかり入り認知症患者の目線と高さを合わせること。目線を上から下に見下ろすことは悪い例。時間の長さが長くなれば愛情というポジティブなメッセージになる。基本的なことかもしれないが理論に基づき、なれるまでは意識しながら技術を取り入れることがポイント。

「話す」

「話す」のポイントは、自分の手の動きを実況中継し会話を絶やさないようにすることで、会話が途切れることも少なくなる。このような技法を「オートフィードバック」と呼ばれている。認知症患者は話しかけてもらえないことがつらいと感じることが多いとも言われるため、たとえ認知症患者から返事がなくても自分の行動を順に会話し、話しかけていくことがポイント。認知症患者の会話の中で否定な言葉をもらったり拒否されたり、ちょっとした言葉かけが恥ずかしく会話が続かなかったりすることもあるが、このオートフィードバック技法を用いて会話が途切れることがなくなるよう心がけることが話すのポイントになる。

「触れる」

ケアする中で無意識で手首や足を掴んでいることがある。これは結果として認知症患者にとって否定的な感情になる場合がある。無意識による力づくでのケアによって認知症患者がネガティブに感じることにならないよう接することが大切。
体を動かすときは下から支える、普段からやさしく手さすってあげてるなど認知症患者に触れるときには些細なことでも意識することがポイント。

「立つ」

立つことで筋肉の低下を防いだり、視野が広がる事で入ってくる情報が増えることがある。立つことの1日の目安は20分以上。援助をしながら立位の機会を持つことがポイント。

ユマニチュードの入門書、研修で学ぶ

ユマニチュードの入門書、研修で学ぶ

上記はユマニチュードの基本的な4つの柱であるが、5つのステップ(・出会いの準備・ケアの準備・知覚の連結・感情の固定・再会の約束)の他、150近くの技法がある。前段でも伝えたが1つのことを独立して行うのではなく「見る」と「話す」を組み合わせるといったように実践してみよう。慣れるまで時間はかかるが認知症患者の体調や様子、反応や効果などを観察しながら実践してみるとよい。実際に導入している施設があったりnhkでも取り上げられているユマニチュード技法。ご興味があれば入門書を読んでみたり、物足りないもっと知りたい方は、研修もあったりするので参加してみるのもよい。認知症ケア技法の「ユマニチュード」いかがでしょう。

 

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